奈良の旅館大正楼

八木札の辻

八木札の辻交流館を見学

八木札の辻は伊勢街道と下ツ道が交差するポイントとして知られ、江戸時代にはお伊勢参りに行き交う人々で大変賑わっていました。 八木札の辻には、市指定文化財の東の平田家(旧旅籠)が建っており、平成24年度から八木札の辻交流館として一般公開されています。

八木札の辻交流館 二見浦の夫婦岩

奈良へ通じる下ツ道から見る八木札の辻交流館と、館内の欄間にデザインされていた伊勢二見浦の夫婦岩。

八木札の辻の歴史

お伊勢参りで賑わった伊勢街道に建つ旅籠

近世・江戸時代になると、横大路を含む、河内から伊勢に通じる道は伊勢街道と呼ばれていました。牡丹で有名な観音霊場の長谷寺も伊勢街道沿いにあります。 コスモスの名所として名を馳せる安倍文殊院の境内にも、伊勢神宮への大道標が立っています。仕事も家庭も放り出して、皆がこぞって伊勢神宮へ お参りした時代です(笑)八木札の辻交流館は昔の旅籠屋です。 ここに宿泊して、お伊勢参りの道中の疲れを癒していたのでしょうね。

二階の欄間に見られる夫婦岩は、伊勢を象徴する有名なパワースポットです。当時の旅人達もこの夫婦岩を見て、伊勢への憧れをさらに強くしていたのではないでしょうか。

長持 八木札の辻の井戸

八木札の辻交流館内に飾られていた古民具の長持と、札の辻の高札の脇にあった井戸。

長持(ながもち)とは、昔の引越しの際に使われていた道具として知られます。両端に金具が取り付けられており、そこに棹を通して二人で担ぎ、 花嫁が輿入れする際の必需品として使用されていました。八木界隈の古い町並みには、アンティークな家具も色々残されており、歴史好きの人にはおすすめです。

人の行き交う場所にあった六角形の井戸

八木札の辻交流館のスタッフの方に、東の平田家南側に今も残る井戸を見せて頂きました。
当時は六角形の井戸だったらしいのですが、今ではその半分の形が残されています。伊勢街道と下ツ道の交差点に当たるこの場所で、人は旅籠で、 馬は井戸の脇にでも座って休憩していたのでしょうか。様々な想像を掻き立てる歴史的な井戸も、八木札の辻の見所の一つとなっています。

八木札の辻から伊勢街道をさらに東へ進んで行くと、巨木の槻で知られる三輪神社が鎮座しています。

八木札の辻交流館 住所:奈良県橿原市北八木町2-1-1

<開館時間> 午前9時から午後5時(入館は午後4時半まで、毎週月曜日が休館日)

<入館料> 無料(施設使用料は1室につき240円~500円)

<交通アクセス> 近鉄大和八木駅南口から徒歩7分、JR畝傍駅から徒歩5分